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突然のマラッカ [マレー半島]

開放されて電車の駅に向かった俺はツレが帰ってくるのを待った。
そしてツレに今日起きたことを話した。
もう嫌だ、もう嫌だ。このドミトリーももうつらい。

結局2泊目の朝、とりあえず宿を出て別の宿を探すことにする。
宿を探してあてどなく歩いていると、そこはバスターミナルの近くだった。

次の目的地はマラッカ。まあ、バスの時間でも見てみるか、
と思い行ってみて、時間と値段を聞いてみると、
「あと10分後に出るよ。値段は日本円で500円」
このぴったしな時間は神様が乗れといってるんだろうな、
乗ってみっかあ、って事で乗り込む。

気がついたらマラッカに向かっていた。
マラッカ到着までのバスの中で地球の歩き方で宿の確認。
・・・・が、バスが到着したところにあるターミナルでパチもんのGショックを発見。
気に入って思わず購入。
無駄な買い物をしつつ、バスで向かう。
バンコク到着初日のように歩いて向かうなどという無謀なことはしない。

んで、宿ゾーンに到着。
適当に看板をみながら入っていくと、なぜか日本語の応対。日本人がいた。
日本人経営の宿に初めてぶつかった。
ダブルの部屋で、エアコンはないけど風が通って涼しい感じの宿。
こりゃあいいやって事でここに泊まることにする。

マラッカはなんと言っても夕日がすごいらしい、
と深夜特急でやってたので夕日を眺めることにする。
まずは夕焼けポイント探しから。いい感じの橋を発見してそこで見ることにする。

それも、なぜか「晴天を褒めるなら夕暮れを待て」という言葉を
「夕暮れを待つなら炎天下から待て」と勘違いして炎天下から待つ。
そのくらいの礼儀が必要だと思った。

※ちなみに「晴天を褒めるなら・・・・」は、いい時に褒めてくれる人は多いけど、
落ち目のときに「よくやった」といってくれる人は少ない。
落ち目のときに褒めてくれるのは正しいよね、的な言葉だったと思う。

礼儀を尽くしたかいあって、初日から見事な夕焼けが見れた。
そして、マラッカには5日くらいいたんだけど、それが最初で最後の夕焼けだった。
その後はくもりとか雨とかだった。

今日の朝はまさか今自分がマラッカにいるとは思ってなかったけど、
見に着てよかった。
えーい!で動いてよかったな、と思った。

トランプ詐欺からの脱出 [マレー半島]

そんな感じでいきなり幸せから絶望へと引き落とされる俺の感情。
「さあ、手口教えるから練習しようぜ」
とか言い出す金歯のおっさんに、
「いや、大学の話は、日本の話は・・・・」と食い下がる俺。
「それは後でいいから、練習しようぜ」

ここで繰り出す得意技、英語わからない作戦。
日本語でわかりませーん的なジェスチャーをするが、コーヒー親父に、
「お前英語分かるだろ」と冷静に突っ込まれる。
コーヒー飲みながらの雑談で結構しゃべってしまっていた。

ここでひねり出す最終兵器。
時計を見ながら「あああああっ!!忘れてたー!!!」
「どうしたよ?」
「俺、このあと友達と約束が・・・やべえ、俺旅行者だから
時間どおりに行かないと友達が心配して警察とか大使館に
連絡しちゃうかも、そしたらめんどくさいでしょ?
だから一旦帰る!!」

その場で思いついたにしては見事な返答だと今でも思う。
・・・・・が、「約束って何時に?どこ?」と冷静な突込みがはいる。
もはや人にいいおっさんじゃなく、悪い目になるコーヒーのおっさん。
「・・・・5時に、電車の駅の喫茶店」
とっさに口からでるでまかせ。

なんだかわけのわからない会話をマレー語?で始めるおっさんたち。
姉ちゃんはお茶を入れて持ってきた。
すると、俺の手にある「地球の歩き方」の○○ページを読め、とおもむろに言われる。
そこには、「トランプ詐欺に注意!!」という注意喚起が。
このおっさん達の手口とまったく一緒。
最後の一文は「とにかく家に行ったらおわり。付いて行かない事。」との名文。
っつーか今俺きちゃってるんですけどー!
その場合どーしたらいいのか書いとけよー!
と心の底から思い、マジでサーって血の引く音が聞こえる気がした。

「ここになんて書いてあるのか訳せ」
話し方も横柄になってくるおっさん。
どっかに電話をかけ始めるいろっぽいねえちゃん。
このねえちゃんとやれるかなー、とか一瞬でも思った俺のアホ!アホ!!

「なんか、エスカレーターとかで引ったくりとかに気をつけろって書いてあります」
って、隣にある記事の事を訳す俺。
っつーかどこに電話してんだよ!ねーちゃん!!
「家に行ったらおわり」って俺この後どうなるんだよ、おい!
出されたお茶にも睡眠薬は行ってるかも知れん、とか思って
まったく手をつけず、沈黙に耐えること5分。

「ピンポーン」と間の抜けたチャイムの音。
うわー、やべえ、とうとうどっかに連行されるんだ、覚悟しろ、
と思ったら、タクシーだった。
さっきの電話はタクシーを呼んでいたのだ。

この瞬間、俺の勝利を確信した。
口からでまかせでもやってみるもんだー!やったー!と
心の中で叫んだ。

そのタクシーに乗せられ、鉄道駅に向かった。
・・・・・・・・・あとから思うと、この旅で唯一乗ったタクシーがこれだった。


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